なつぞら(夏空)の実在モデル・奥山玲子はどんな人物なの?

NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら(夏空)」で、ヒロイン役の奥山なつ(広瀬すず)にはモデルが存在しています。モデルとなった奥山玲子さんとはどのような人だったのでしょう?

今回の記事ではヒロインのモデルである奥山玲子について、掘り下げてお伝えしていきます。

 

ちなみに今回の「なつぞら(夏空)」でアニメーションの時代考証を行っているのは奥山玲子さんの夫・小田部羊一さんです。

時代考証に夫の小田部羊一さんが入っているというのは、アニメーションをしっかりやるという意思表示だと思います。

 

また後半に、「なつぞら(夏空)」のヒロイン・奥原なつとの違いなども詳しく解説していますので最後までお付き合いいただけたらと思います。

モデル 役名/キャスト
【アニメの神様】
森康二(もりやすじ)
【作画監督】
仲努(井浦新)
【伝説のアニメター】
大工原章(だいくはらあきら)
【作画監督】
井戸原昇(小手伸也)
【アニメーター】
大塚康生(おおつかやすお)
【アニメーター】
下山克己(川島明)
【手塚治虫の右腕】
中村和子(なかむらかずこ)
【アニメーター】
大沢麻子(貫地谷しほり)
【アニメーター】
太田朱美(おおたあけみ)
【アニメーター】
三村茜(渡辺麻友)
【トーレスの魔術師】
保田道世(やすだみちよ)
【アニメーター】
森田桃代(伊原六花)
【映画監督】
高畑勲(たかはたいさお)
【演出家】
坂場一久(中川大志)
【映画監督】
宮崎駿(みやざきはやお)
【アニメーター】
神地航也(染谷将太)
【映画監督】
薮下泰司(やぶしたたいじ)
【映画監督】
露木重彦(木下ほうか)

奥山玲子とは?

奥山玲子さんはどのような人物だったのでしょうか?奥山玲子さんを知らないという人でも、「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」「デビルマン」「マジンガーZ」「キャンディキャンディ」などのアニメは知っていると思います。

 

日本を代表するアニメーションを多数手がけてきた、日本アニメーションの母だと言えます。文学少女だった奥山玲子さんは、想像力によってアニメーションを作り上げていったのだと考えるでしょう。

 

奥山玲子さんは仙台に生まれて、宮城学院高校卒業後東北大学教育学部に進学しましたが2年で中退しています。教師をしていた父親は彼女を教師にしたかったのですが、奥山玲子さんは教師になる気がありませんでした。

 

家出同然で職を転々とした奥山玲子さんでしたが東映動画で一般公募があることを叔父から教えてもらい、面接を受けて臨時採用でしたが東映に採用されています。

 

彼女自身動画を童画と勘違いしていて、絵本などの仕事ができると思って応募しました。しかし、この勘違いがなければ「ひみつのアッコちゃん」などのアニメーションは誕生していなかったかもしれません。

 

奥山玲子さんは、当時ファッションや語学に興味があり、将来はそっちの道に進みたいという気持ちをもっていました。東映に勤務していた際には、奥山さんの服装が毎日印象的で異なるのでスケッチする人が社内に現れるほどファッションが好きだったのです。

テレビアニメーションの黎明期

当時の東映動画には、宮崎駿さんや高畑勲さんなど現在に通じるアニメーションの旗手が在籍しています。奥山玲子さんは、東映動画で仕事をしていましたが、東映動画は現在で言うブラック企業であり特に女性に対する差別がありました。

 

女性は、入社時に結婚したら退職するという誓約書を書かされていて、結婚したら強制的に退職させられていたのです。それに反発したのが奥山玲子さんでした。

 

こうした差別と闘い後輩の小田部羊一さんと結婚しても退職しませんでした。しかし、お世話になった社長・大川博が死去した後に、労働組合の紛争がひと段落ついたところで東映を退職します。その後、フリーになります。

 

フリーになってからも、「キャンディキャンディ」、「じゃりン子チエ」、「火垂るの墓」などを手掛けます。ただ、「火垂るの墓」を最後にアニメーターから引退します。

 

晩年の奥山玲子さんは、銅版画の世界にのめりこみます。なにを描くもアニメーション風になるのが嫌で、掘ったり刷ったりすることが新鮮だったのです。

 

やがて、「注文の多い料理店」で銅版画風のアニメーションを依頼されて参加します。「冬の日」も同じように銅版画のアニメーションになります。その後、銅版画アニメーションの新作を計画しますが、2007年5月6日70歳で亡くなります。

 

このように、奥山玲子さんは現在まで知られているアニメーションを手掛けて名作を長年にわたり世に送り出してきた人物なのです。

 

なつぞらの奥原なつとの違い

朝ドラ「なつぞら(夏空)」の奥原なつは、戦争で両親を亡くして北海道の十勝で9歳~高校生まで生活をしています。なので、宮城県で暮らしているという点や酪農をしていたという幼少期はまったく違います。

 

大学も教育学部に入って、教員になるように親から勧められるところも大きく異なります。また、東映入社のきっかけも、童画と勘違いして東映動画に入社している点も違いますね。

 

しかも、NHKもオリジナルストーリーと公表していますので、奥山玲子さんが奥原なつのモデルだとずっと思っていませんでした

 

ただ、奥原玲子さんの夫・小田部羊一さんが「なつぞら」には時代考証に入っています。そして、小田部羊一さんが「モデル」というより、北海道の話は異なるので「ヒント」とインタビューで答えています。

 

逆にいうと、アニメーション時代の奥原なつは、奥山玲子さんが原型になっていることは間違いないと言えるでしょう。実際に奥山玲子さんと奥原なつがバイタリティーあふれる女性という点は一致しているでしょう。

 

今回の朝ドラは100作目となる節目の作品です。原点に立ち返り、困難に負けないヒロインをという構想の元で、日本のアニメーションの黎明期に活躍した奥山玲子さんを中心に描くことになったのだと思います。

 

朝ドラ「なつぞら(夏空)」は、視聴率も好調で大ヒットの予感をさせるドラマです。そこには、戦後に両親を亡くしたというストーリーが絶対に必要だったと思います。

 

そういう意味では、前半はオリジナルストーリー。アニメーションにチャレンジする中盤以降は、奥山玲子さんをモデルにしているのだと思います。

 

アニメのタイトルは知っていても、製作者のことはなかなか知らないですよね。モデルの奥山玲子さんの背景を知ることで、よりドラマを楽しめると思います。

モデル 役名/キャスト
奥山玲子(おくやまれいこ) 【主人公】
奥原なつ(広瀬すず)
太田茂一(おおたもいち) 【養祖父】
柴田泰樹(草刈正雄)
【よつば乳業創業者】
太田寛一(おおたかんいち)
【養父】
柴田剛男(藤木直人)
太田登美江(おおたとみえ) 【養母】
柴田富士子(松嶋菜々子)
【六花亭創業者】
小田豊四郎(おだとよしろう)
【雪月主人】
小畑雪之助(安田顕)
小田淳子(おだじゅんこ) 【雪月・奥さん】
小畑妙子(仙道敦子)
【六花亭二代目】
小田豊(おだゆたか)
【なつの幼馴染】
小畑雪次郎(山田裕貴)
【小田豊祖母】
小田トシ
【雪次郎の祖母】
小畑とよ(高畑淳子)
神田要一(かんだよういち) 【天陽の父】
山田正治(戸次重幸)
神田一明(かんだかずあき) 【天陽の兄】
山田陽平(犬飼貴丈)
【画家】
神田日勝(かんだにっしょう)
【なつの恋人】
山田天陽(吉沢亮)