権藤茂兵衛(風間杜夫)のモデル・武藤茂平はどんな人物だったの?

このページは、朝ドラ「エール」で主人公の伯父・権藤茂兵衛(風間杜夫)にはモデルが存在します。そのモデルが武藤茂平(むとうもへい)さんです。

今回はその武藤茂平さんがどんな人物だったのか詳しく見ていきます。武藤茂平さんは、地元福島の有力者であり多大な貢献をした人です。ここから具体的に見ていきます。

古関裕而の伯父

まず、武藤茂平さんは主人公のモデルである古関家とどのような関係になるのでしょうか。まずは、そこからみていきましょう。

武藤茂平さんは武藤家の長男として生まれます。妹にヒサさんがおり、ヒサさんが古関家に嫁入りしたため血縁関係が生まれました。古関裕而(こせきゆうじ)さんからすると、母方の伯父ということになります。

 

この結婚には、地元の有力者と地元有数の呉服屋の婚姻という関係が見え隠れしています。今でもありますが、家の格があり家に見合った形で結婚は行われていました。

現代では、金持ちにしかそういった風習はありません。古関家にとって強力な後ろ盾を得ていたはずですが、呉服屋「喜多三」はこののち倒産してしまいます。

 

筆者に素朴な疑問が浮かんだ理由は、なぜ資金援助をしなかったのかということです。福島の有力者であり古関家と縁戚でもある武藤茂平さんなら支援すべきだったのではないでしょうか。

古関三郎治さんが連帯保証人になって、借金を背負ったことの落ち度はありますが他にも理由がありそうです。ここから先はご想像にお任せします。

 

福島で一番の資産家

武藤家は福島県川俣町で、1番の資産家でした。自宅から見える土地が全て所有地だったと言いますから、かなり広大な土地を所有していたのでしょう。世の中には、世襲名というものがあります。

歌舞伎や能、茶道などは現在でも世襲名を名乗っていますが、武藤家にも世襲名がありました。武藤茂平さんの茂平という名前が世襲名であり、代々の当主は武藤茂平と名乗ってきています。

 

世襲名があるということ自体、有力者のステータスを保持していると言えるでしょう。武藤家では代々「ちりめん屋」という味噌・醤油の醸造をするお店などを経営してきています。

 

武藤茂平さんは当主となってから、事業を拡大させていきました。その一つが川俣銀行です。銀行は現在のように設立までの難易度が高くはなく、資産家が次々に銀行を作っていました。

川俣銀行も資産家が作った銀行の一つです。事業を拡大させていく上で、資金面の安定は何より重要であり現在でも旧財閥グループの名前を関する銀行があるでしょう。

 

銀行を作り資金面を安定させて、事業を軌道に乗せていくという方法が当時としては一般的な方法だったのです。そのため、武藤茂平さんも銀行の頭取をしていたのです。

古関裕而さんも商業学校卒業後に、仕事せずにいたので、武藤茂平さんが誘い川俣銀行に就職させたのでした。武藤茂平さんには、後継ぎがいなかったので古関兄弟のどちらかを養子にしようと思っていたのです。

 

また、武藤茂平さんが行っていた事業は川俣銀行だけではありません。他にも様々な事業を展開しており、地元の有力者としてその存在感を感じさせます。

現代の政治家は、選挙を経て選出されます。資質が問われる人も数多くいますが、戦前は普通選挙もありましたが貴族院議員という議員の席があり、名誉職的な意味合いもあるのでしょう。

 

武藤茂平さんはこの貴族院議員へ選出されたことがあります。つまり、それだけ福島を代表する資産家だったのです。

お金持ちばかりが選ばれれば、弊害も大きい部分もありますが選ばれることは名誉であり、貢献してきた武藤茂平さんを労うものでした。その他にも町会議員も務めており、地元福島の発展に尽力した人だと改めて感じさせられます。

エールでは権藤茂兵衛として登場

NHKの朝の連続テレビ小説「エール」では、武藤茂平さんは権藤茂兵衛として登場しています。演じるのは、風間杜夫さんです。風間杜夫さんはこれまで数々のドラマや映画に出演されています。

朝ドラにもこれで6回目の出演であり、日本を代表する俳優であると言えるでしょう。様々な役を演じてきた風間杜夫さんですが、こういう資産家であり実業家という役どころも似合います。

 

一体どのように演じられるのか?放送を楽しみにしていてください。大物実業家になりますので、そのあたりの風格をどのように出すのか期待したいですね。

また、妹である古山まさ(菊池桃子)との関係がどのようなものなのか。古山裕一(窪田正孝)や古山浩二(佐久本宝)の関係についても気になるところです。

 

おそらく、主人公の古山裕一が銀行に入社するあたりが一番登場シーンが多いと思います。なので、一つの見どころは古山裕一が銀行に入社して働くところになると思います。

まとめ

今回は、武藤茂平さんについて詳しく調べてきました。福島の発展に貢献した、資産家であり実業家だったのだと知ることができたので「エール」を観る上での予備知識になります。

史実とは若干設定が異なる部分もありますが、おおむね史実通りに進行していくものと思われます。人物の相関図を見てもモデルと基本一緒ですからね。

 

明治時代の実業家のイメージとして、ジェントルマンを想像してしまいますが皆さんはどうでしょうか?イギリス流の紳士として、冷静に判断する様子が想像できます。

現代では少なくなったと言いますか、ほぼ皆無になっているので単純にかっこいいと思ってしまいますよね。西欧へのあこがれもあるのかもしれませんね。

 

朝ドラ「エール」で権藤茂兵衛がどのように描かれていくのか、今から楽しみですね。風間杜夫さんがキャストでもあるので、武藤茂平にどうしても期待してしまいますよね。